「 Listen to silence 」 #1 @美耶子
日本には素晴らしいアーティストが沢山います。
メジャー、インディーズ、サポート、趣味、様々なレイヤーのなか
それぞれが異なる動機、物語、理想を掲げ
まるで自分の世界観や生き様を投影するように音楽をつくりあげていきます。
私は、音楽業界に入ってまだ間もないながらも、多くのアーティストの方に会い
助けられ、惹かれてきました。ただ、いい音楽だから売れる、という時代ではとっくになく、毎日バイトに明け暮れ、帰ってきて寝るまでの時間に必死に練習する、それが現実です。
私たちは楽曲のなかでしか彼ら、彼女らの声を聴くことはできません。
「 Listen to silence 」では、Silent itがアーティストの方々にインタビューをし、楽曲の内に潜む、静かな想いを対談形式でお送りします。
冒頭のアーティスト紹介にある楽曲を聴きながら、記事を読むことをおすすめします。
静寂に耳を傾けて、アーティストの物語を共に歩むように、曲を聴いてみましょう。
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「 Listen to silence 」#1
【Artist Profile】
美耶子
青森県むつ市出身。
大学卒業後、25歳まで順風満帆に会社勤めをする。
2013年10月、突然音楽をやると言い始め、2014年4月にはSSWとして活動開始。
紆余曲折を連ねながら、現在は企画ライブを中心としたライブ活動、作詞作曲、コーラス等、の活動を何やら楽しそうにやっている。生息場所は中央線と、だいたい、外。
Silent it:それでは早速はじめていこうかなと思います。
そもそも美耶子さんっていつから音楽始めたんでしたっけ?
美耶子:2014年の4月かな
Silent it: あ、昨年なんですね。
美耶子: 学校入ったのが2013年。曲作りを始めたのがその年の12月くらい。そのタイミングでアコギも始めた。
Silent it:それまではなにか楽器やってたんですか?
美耶子:大学の時にエレキギターをやってたけど、パワーコードしかできなかった。基本的にはボーカルだけ。
Silent it:なるほど、軽音部とかですか?
美耶子: そう、コピバンだけど。
Silent it:どんなのやってたんですか?
美耶子:羊毛とおはなとか、Sotte Bosseとか。
ヴィレバンで流れてるようのやつ。ギター弾く時は
フーバーオーバーとか。知ってる?
Silent it:知ってます知ってます、フェンダーとか。
美耶子:そうそう。
Silent it:ちなみにそれまではなにやってたんですか?
美耶子:高校の時は、フェンシング。わたしインターハイまで行ったよ(笑)
Silent it:まじですか(笑)その頃から音楽は好きだったんですか?
美耶子:うーん、音楽が好きっていうより歌が好きだったかも。いまは掘り下げると音楽が好きなんだと思うんだけど、はじまりは歌が好きだったからやってた。作る側になって初めて歌が好きなだけじゃ、音楽はつくれないなって思って、それで勉強していくうちに、音楽が好きなことに気づいてきた。
歌が好きなことには自信があったけど、大学の頃とかは周りに比べると、音楽自体が好きなことに自信はなかった。
Silent it:作る側になって初めて分かる側面っていうのはありそうですね。リスナーとしても、なにか変わったことはありますか?
美耶子:何が好きなのかにフォーカスをあてて聞くようになったかな、なんでこの曲好きなんだろうかとか。あとは技術的なとことか、歌詞の内容より曲にどう当てはまっていくのかを意識するようになった。それで昔聞いてた曲とか振り返ってみると、モー娘。やばいなって思った(笑)
モーニング娘。 『LOVEマシーン』 (MV) - YouTube
Silent it:そうなんですね(笑)
好きなアーティストとかもやっぱ変わりました?
美耶子:変わったね、洋楽ばっか聴くようになった。日本のアーティストってどれも同じように聴こえちゃう。
Silent it:ほう、どうしてだと思います?
美耶子:パターンが決まってるからかな。売れるためのパターンがあって、それにあてはまらないと売れないみたいな。海外だとある程度のパターンはあるけど、日本よりはよほど自由。
Silent it:ほうほう。
美耶子:最近感じているのは、そういった形で日本の音楽が量産されていくと、世界のなかの日本の音楽の質が落ちていくんじゃないかって。ストッパーじゃないけどせめて自分のレベルは、世界と対等なレベルを目指していきたいなと思う。
Silent it:今では人工知能で曲の構成を決めて、それにあてはめて作曲していくなんていうのもあるようです。音楽と一言でいっても、そういった商業的な側面と、文化、芸術として、多様性を担保していかなくては進まない側面とあると思うんですけど、美耶子さんはどういうバランスをもっていきたいと思います?
美耶子:私がやりたいのは後者のほうだけど、前者の方は別物かなとも考えてる。商業音楽で安定するからこそ、好きな曲がつくれるっていうのもあるし、どっちも大事かな。でも本当につくりたいのは、自分が納得する曲。お金が大事なのか、音楽が大事なのかにもよると思う。私は音楽のほうが大事で、昔は3年間OLやってたんだけど、それを辞めて音楽始めたし、お金稼ぐならOLのままでいいし。
Silent it:OLを辞めて音楽を始めたきっかけはあったんですか?
美耶子:1回しかない人生だしとりあえずやってみようと思った。音楽を選んだのは、今までの人生でずっと好きだったのが歌だけだったから。小さいときからそれだけで、本当それだけだった。田舎の子ってそうなんだけど、わたし夢をもたない子だったのね。わたしもそうだったんだけど、東京にでてきて、じぶんの一番好きな事に向き合ったら、歌だった。
Silent it:いまだから言える夢ってあります?
美耶子:いますぐは無理だけどビルボードに乗れたらなーとは思う。それが大きな夢だとして、海外のフェスとかで活躍できるようになりたい。
Kenta Hayashiさんとか憧れる。日本ではあまり有名じゃないんだけど、海外では色んなライブとかでてて。
Amazing Guitar / Trill by KENTA HAYASHI ...
Silent it:それって日本の音楽の特徴だったりもしますよね。同じアーティストの評価が日本と海外でイコールでないことって。どうしてですかね?
美耶子:バスキングとかすぐ止められちゃうとかもあるのかなー。
Silent it:アートに寛容じゃないんですかねー。
美耶子:そうかもねー、日本だと売れるための方法論みたいのも「あれやって、これやって、あれやってダメだったらダメ」っていうのがあるんだけど、どうせ失敗するなら自分で考えて失敗したい。
Silent it:プロセス含めアート活動ですもんね。
美耶子:うん。起業家の人とかもアーティストだなと思う。
自分でなんかやってる人ってみんなアーティスト。わたしはそういう人たちから影響をうけていきたい。起業家的なアーティストが理想かな。ただアートワークだけやってるアーティストもいるけど、今の時代ビジネス的な視点もやっぱり必要。
Silent it: 難しい時代ですよね。それでも音楽を続ける理由ってなんですか?
美耶子:1日の中で1番考えてる時間が多いのが音楽だし、もう生活の1部に入ってしまっているから、音楽がないとかない。
Silent it:曲が売れないとか市場が狭いとか、そういうレベルの話ではもうないんですね。臓器みたいな(笑)
美耶子:そうね(笑)だから聞かれるまで考えることもないんだけど、もうそこにあってしまうよね。
Silent it:音楽の魅力ってなんですか?
美耶子:こうやって考えられることかなー、アーティストの視点もあれば、リスナーの視点もあれば、歴史的な観点もあって飽きない。それぞれに違う音楽の愛し方があるから、一生かけても飽きないなと思うのが、わたしにとっては魅力(笑)
追いかけるけどいつもなにか足りなくて、手の内に収まらない感じがいい。
Silent it:終わりがないのがいいんですね。
美耶子:音楽がなかったら死んでる気もする(笑)音楽に助けられてる。
音楽でめっちゃいらいらもするんだけど、そこで救ってくれるのも別な音楽だったりする。
Silent it:難しい、というかナンセンスな質問かもなのですが、一番好きな曲ってなんですか?
美耶子:うーん、ボーカリストとしてはSalyuが好きかなー。無理がないとことか、色々チャレンジしていくとことか。70年代のシティポップは好きなのが多いなと思う、あとはカーディガンズ、じゃなくてなんだっけ、カルフォルニアの、、
Silent it:カーペンターズ?
美耶子:そう(笑)ど忘れしちゃったすごい好きなのに(笑)
天才だなーと思う。あと思想とか感覚で近いなと思うのはリッキーリージョーンズとか。
Silent it:その中でもベストオブベスト、みたいな曲ってあります?
美耶子:難しいなー、これが書けたら死んでもいいやっていうようなやつでしょ。
(長考・・)
これかな。
『I won’t last a day without you』/Carpenters
I Won't Last A Day Without You - The Carpenters ...
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記念すべき第一回は
シンガーソングライター
美耶子さん。
Silent it初の野外フェス
『エレクトリック夜桜サイレントフェス』以来
多くのフェスでサポート、出演をしてくれています。
明るく頼れる人柄でありながらも
引きこもる時はちゃんと引きこもる。
きっと裏も表も白も黒もなく
人間らしいものそのものに
美しさを感じているんだろうなと思います。
自分自身の無理のなさ、心地よさ
その世界観は楽曲に染み渡り
じわりじわりと、耳から体全身へ
音楽が包み込んでいきます。
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「 Listen to silence 」では
アーティストの静かな想いを引き出し形にします。
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”どんな場所でも最高の音楽空間に”